東方通信社発行の「産業栽培メディア コロンブス2016年6月号」にキビタン号記事が掲載されましたので、ご報告致します。

***以下 抜粋***
福島県産品の販路拡大と観光PRのために走る「キビタン号」をご存じだろうか。
福島県の復興シンボルキャラクター「キビタン」とともに県内や関東圏を回るキッチンカーで、この数年、知名度・人気ともに急上昇中だ。
運営を担う㈱ビックメイツは、もともと運送業界で働いていた大川昌義社長が立ち上げた元気企業。
その出発点は約5年前、東日本大震災が起こった日にさかのぼる。
当時、大川社長は運送会社の営業・企画部門の責任者として、買い物弱者救済のためのネットスーパー事業を進めていたそうだ。
ところが「震災直後の被災地では状況がより深刻で、買い物どころか援助物資の振り分けが遅れ、避難所になかなか届かないことが大きな問題になっていた。
そこで、私たちは県に掛け合い、震災から3日目には勤め先の運送会社の倉庫に物資を移動、効率よく仕分けして各所に配送する仕組みを整えた」と大川社長。
その後も大川社長は、原発事故の風評被害に苦しむ桃農家から相談を受け、福島県産品の安全・安心をアピールしたダイレクトメールを送付したり、運送会社の全国ネットワークを生かして福島県産品のギフト販売をしたりと、さまざまな支援事業に取り組んできたそうだ。
そして活動を2年ほど続けた頃、大川社長は独立起業を決意。
「部署異動の話が持ち上がったのを機に退職し、福島に残って地域を元気にしようと㈱ビックメイツを設立、福島のすばらしい産品をお客様の元へ運び、実際に見て味わってもらうための移動販売事業に着手した」という。
大川社長が構想したキビタン号はたんなる移動販売車ではない。「さまざまな特産品や地元の野菜などを各地で販売し、キビタンとともに観光PRを行うほか、備え付けのキッチンで県産品を取り入れた料理もつくれる」という、まさに〝動くアンテナショップ″なのだ。
福島県はこれを官民連携プロジェクトのひとつとして認定、地元農家や中小企業などの協力も得て、13年8月にキビタン号は走り出した。
人気商品は地元の老舗菓子店が会津育ちの牛乳「べこの乳」と希少な「会津山塩」を用いてつくった「会津山塩のシュークリーム」。
「ふくしまおいしい大賞2012」スイーツ部門大賞や15年の「全国手土産自慢」グランプリなど数々の賞に輝いた逸品だ。
キビタン号オリジナルのリンゴジュースや夏場の桃100%スムージーなども好評とのこと。
さらに同社では15年7月から、キビタン号以外にも上野や秋葉原、高円寺など東京都内のJR駅構内での野菜や果物生鮮品のブース販売もはじめ、こちらも通勤客中心に盛況だ。
東日本大震災から5年以上の時が経過した今、大川社長は「応援ムードを風化させないよう、今後もドンドン福島の魅力をアピールしていきたい」と話している。

※15年夏にビックメイツのオリジナル商品として開発した「ふくしまフルーツシュー」も人気

発行所 東方通信社「産業栽培メディア コロンブス2016年6月号」